NISAは、利用したほうが良いの?

こんばんは。

今回は、初心者向けQ&Aの5回目の「NISAは、利用したほうが良いの?」についてです。

NISAって何?

NISAは、2014年からスタートした制度ですが、まずは、そもそもどういったものかということを見ていきましょう。

簡単に言うと、通常は、株式投資を行う場合、株を売却したときの利益と配当金に税金がかかるのですが、NISAは、毎年120万円までの新規購入した分についての税金を払わなくて良くする制度です。

一例として、100万円の銘柄を購入して、1年間保有し、配当金を2万円もらい、その後、130万円で売却したとしましょう。

配当金2万円+売却益30万円=32万円が利益となり、通常は、利益32万円×税率20.315%=税金約6万5千円がかかりますが、NISAを利用すればこの約6万5千円の税金を払う必要がありません。

(参考:楽天証券のNISAの説明ページ

 

NISAのメリット

①株式投資にかかる税金を非課税にできる

メリットというか、制度そのものですが、株の売却益、配当金にかかる税金を払う必要がなくなり、確定申告等の煩わしい手続きもする必要がありません。

 

②証券会社によって、様々なお得なキャンペーンを受けることができる

証券会社によって異なりますが、NISA口座内での売買手数料無料や口座開設に必要な住民票の代行取得などのキャンペーンを受けることができます。

ちなみに、17年6月現在のNISA内での株の取引手数料が無料の証券会社は、、SBI証券楽天証券マネックス証券GMOクリック証券松井証券の5社です。

NISAのデメリット

①損失の繰越控除ができない

損失の繰越控除とは、株式投資をしていて売却損が出てしまった場合に、確定申告を行うことで、その後の3年の利益と相殺して税金の計算をできるという制度です。

例えば、NISAではない口座(特別口座、一般口座)で2017年に売却損が20万円発生し、2018年に売却益が20万円発生した場合、2017年に確定申告しておき、2018年の利益と相殺することで、税金を払わずに済ませることができます。

NISAでの売却損は、この繰越控除を適用することができません。

②口座の開設に手間がかかる

NISA制度を利用するためには、NISA口座を開設する必要があります。

NISA口座を開く前に、通常の証券総合口座を開設する必要があるため、通常より1ステップ手続きが多くなります。

また、住民票やマイナンバー等の書類が必要になり、必要書類提出後も申込が多いなど状況によっては、口座開設に時間がかかるケースがあります。

 

株をこれから始める方には、NISA制度を利用するのがおすすめ

NISA制度には、メリット、デメリットありますが、初心者の方にとっては、メリットの方が大きいです。

というのも、大きなデメリットは、損失の繰越控除ができないことですが、損失の繰越控除が必要なのはNISA以外の口座で売却益が出た場合に限られるので、資金が少ないうちは、年間120万円まで売買できるNISA内での売買で十分であり、デメリットにならないからです。

同様に、例えば、サラリーマンであれば、NISA以外の口座でも年間20万円までの売却益が非課税となるので、資金が少ないうちは売却益の非課税のメリットはあまり大きくないのですが、配当金の非課税と売買手数料が無料の恩恵は大きいです。

 

NISAに適している銘柄は?

NISAは、株式投資で利益が出た場合、特に利益の額が大きければ大きいほどメリットが大きくなる制度です。

そのため、できるだけ利益が大きくなる銘柄を選ぶのがベストですが、そのような銘柄を見つけるのは簡単ではありません。

一攫千金を狙って値動きの激しい銘柄を買うという考え方や高配当の銘柄を買って地道に利益を重ねていくという考え方などがあり、人それぞれです。

個人的には、最初のうちは、高配当、かつ、業績が安定している銘柄を選ぶのが良いと思います。

NISAでの取引量や残高のランキングを発表している証券会社もあるので、参考にすることも可能です。
(一例:SBI証券のランキング

なお、1年間の投資金額が120万円までなので、120万円を超える銘柄は購入することができません。

 

NISAの注意点

最後に、NISA口座を開設する際の注意点を見ていきましょう。

①1社にしか口座を開設できない

通常の証券総合口座は、いくつでも口座を開くことができますが、NISAに関しては1社にしか口座を開けません。

途中で変更することも可能ですが、1年に1回しか変更できないことと手続きが面倒なので、口座を開く会社を慎重に検討したほうが良いです。

自分が投資したい商品を取り扱っている金融機関に口座を開く必要があるので、株を取引したいのであれば、証券会社にNISA口座を開かなければなりません。

NISA内での株式の売買手数料が無料の証券会社に口座を開設するのが、最もおすすめです。

また、通常の日本株取引以外にも取引したい(または将来的に取引したい)商品があれば、その商品をNISA口座でも利用できる証券会社に口座を開きましょう。
(通常の日本株取引以外に良く取引される商品の例としては、IPO、ミニ株、投資信託、外国株式などがあります。)

ちなみに、管理人は、楽天証券にNISA口座を開設しています。

②配当金を非課税にするためには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」にすることが必要

口座を開設するときに、配当金の受取方法を選択します。

配当金の受取方法は、配当金受領書方式、株式数比例配分方式、登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式の4種類ありますが、NISA制度を利用する場合は、必ず、株式の残高に応じて、証券口座に配当金が入金される「株式数比例配分方式」を選択しましょう。

株式数比例配分方式以外の方法を選択すると、配当金から税金が自動的に引かれてしまいます。

 

これで、第5回目のQ&Aは終了です。

第6回目のテーマは、「インターネットや雑誌ですすめられている銘柄を買えば儲かるの?」です。