野菜であれば八百屋、文房具であれば文房具屋というように、多くの商品は買うことができる場所が決まっていますが、株はどこで買えるのでしょうか?
株主になりたい企業へ行っても株を売ってはくれません。
また、お金を預けている銀行に行けば買えるのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、銀行にはそのような役割はありません。
株を買うには、証券会社に注文を出す必要があります。
正確には、証券会社が証券取引所への注文を仲介しているのですが、株は証券会社で買えると覚えていただいて、株の売買をすることに差し支えはありません。
証券会社に注文を出すためには、証券会社に口座を開設する必要があります。
口座開設後、株を買うのに必要なものは、株の代金と証券会社に支払う手数料です。
証券会社に支払う手数料については、第2章で詳しく見ていきますので、ここでは株の代金について説明します。
通常の取引では、株価が100円であったとしても、その銘柄を100円で買えるとは限りません。
理由は、通常の株式投資では、売買できる単位(単元)が決まっているからで、100株や1,000株に設定されていることが多いです。
例として、ユニクロを運営する(9983)ファーストリテイリングの場合を考えてみましょう。
ファーストリテイリングの株価は、3万円程度で、単元株が100株なので、通常の取引を行うには、最低でも資金が300万円必要になります。
ちょっと極端な例を出したので、300万円ないと株式投資できないの?と心配になった方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、もっと安い値段で売買できる銘柄が多く(2016年8月現在で、10万円以下でも投資できる銘柄が1,500社程度)ありますので、安心してください。
また、例外として、ミニ株という制度があり、これを利用すると、単元株未満の単位でも株式を売買することができます。
手数料がやや高いことや注文方法の制限があるなどのデメリットがあるので、強くはおすすめしませんが、どうしても欲しい株があって、1単元の価格が高い場合は利用しても良いと思います。
【まとめ】
・株を買うためには、証券会社に口座を開設する必要がある。
・株を買うのに必要な資金は、株の代金と証券会社に支払う手数料である。
・株の通常取引では、売買できる最低の単位が決められている。
【キーワード】
証券会社(しょうけんがいしゃ)・・・有価証券の売買の取次や引受を行う企業。個人投資家が株の売買を行う際には、証券会社に注文を仲介してもらう必要がある。
単元株(たんげんかぶ)・・・株式取引で売買される売買単位のこと。大半の銘柄について100株、または、1,000株に設定されている。
ミニ株・・・株式ミニ投資の略で、単元株未満の単位で株式を売買できる制度。ワン株(マネックス証券)、S株(SBI証券
)、プチ株(カブドットコム証券)のように証券会社によって名称が異なる。
株式を売買するためには証券会社に口座を開く必要があることがわかりました。
しかし、証券会社は何社もあり、また各社によってサービスの内容が異なります。
次章では、証券会社の特徴や選び方について見ていきます。