証券会社に口座開設する際に、最初に開くことになるのが証券総合口座です。
同時に、株式を売買するための口座を選択するのですが、3種類あるので、取引をしたことがない方にとっては、少し迷ってしまうかもしれません。
株式投資では、売買で得た利益に対して税金がかかるのですが、その税金の計算や確定申告を自分でするのか、証券会社に行ってもらうのかというのが3種類の各口座の違いです。
①一般口座
株式の売買に伴う税金の計算を自分で行い、確定申告も自分で行う。
②特定口座(源泉徴収なし)
取引の損益の計算は証券会社が行い、証券会社が作成した資料をもとに確定申告を自分で行って税金を支払う。
③特定口座(源泉徴収あり)
取引の損益の計算、税金の支払ともに証券会社が行ってくれる。
税金に関しての手続きをしなくても良いので、特定口座(源泉徴収あり)が1番楽ではあるのですが、本来、払わなくても良い税金を払うことになってしまうケースもあるというデメリットがあります。
一例を挙げると、サラリーマンの場合は、株の売却益を含めた副収入の額が年間20万円までは税金を払う必要がありませんが、特定口座(源泉徴収あり)を選択していると税金を自動的に払ってしまいます。
ですので、初心者の方や取引額が少ない方には、特定口座(源泉徴収なし)を選択し、必要になれば確定申告をするというのが1番のおすすめです。
ただし、多少の多くの税金を払うことになっても、確定申告の手続きがめんどうなので、どうしてもしたくないという方は、特定口座(源泉徴収あり)を選べば良いでしょう。
一般口座は、通常は選ぶメリットはありません。
<NISA口座>
株式の売買を管理する口座は、実は、もう1つNISA口座があります。
NISA口座は、一般口座や特定口座と異なり、証券総合口座を開くときに同時に選択することはできず、証券総合口座を開いた後に、別途、申し込みが必要です。
NISA口座内では、NISA制度と呼ばれる制度が適用され、毎年120万円までの株式の新規購入分について、5年間は、売却益、配当金に対する税金がかからず、確定申告などのめんどうな手続きも一切する必要がありません。
NISA口座内での売買手数料を無料にしている証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、GMOクリック証券、松井証券)もあり、株式投資を始める方には、まず、これらの証券会社の1つにNISA口座を開設し、取引することを強くおすすめします。
なお、NISA口座は、証券総合口座とは異なり、1つの証券会社でしか開設できません。
途中で変更することはできますが、手続きが必要になることと1年に1回しか変更できないので、どの証券会社にするか慎重に検討して口座を開設することをおすすめします。
【まとめ】
・株式投資では、売買で得た利益に対して税金を払う必要がある。
・特定口座を開設すると、証券会社が税金の計算を行ってくれる。
・NISA口座では、年間120万円までの新規購入分の売却益、配当金に対して非課税となり、また、割安の手数料で売買できる証券会社が多く、メリットが大きい。
・NISA口座は、総合証券口座開設後に別途申し込む必要があり、また、1つの証券会社でしか開設できない。
【キーワード】
証券総合口座(しょうけんそうごうこうざ)・・・通常、証券会社に口座を開設する際に1番初めに開くことになる口座。株式取引のための資金の管理など様々な機能を持つ。
確定申告(かくていしんこく)・・・その年の1月1日から12月31日までを課税期間として、期間内の所得を計算した申告書を税務署へ提出し、納付すべき所得税額を確定すること
特定口座(とくていこうざ)・・・簡便な納税手続きのために証券会社に開設する口座。口座内の取引の損益の計算は証券会社が行ってくれる。
源泉徴収(げんせんちょうしゅう)・・・給与、利子などの支払者が、支払を行う際に税金を差し引いて国に納付する制度。特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、証券会社が売却益から税金を支払ってくれる。
NISA制度(にーさせいど)・・・日本において、株式などの年間120万円までの投資に対して、20%程度かかる売却益、配当への課税を非課税とする制度。(2016年現在)
次に、配当金の受取方法を説明します。
特にNISA制度を利用する場合は、特定の方法でなければ配当金を非課税にできないので、理解しておく必要があります。