投資手法は、分類方法にもよりますが、数限りなくあります。
イメージがわきやすいと思うので、釣りで例えてみましょう。
魚を釣る(投資では利益を出す)ために、どういう手法が考えられるでしょうか?
海に行くのか、川に行くのか、長い竿を使うのか、短い竿を使うのか、昼に釣るのか、夜に釣るのか・・・などなど数限りなく方法があることがわかるかと思います。
ここでは、投資期間、分析法方法、投資対象という切り口から代表的な投資手法を紹介します。
<投資期間による分類>
大雑把に大きく2つに分けると、短期投資と中長期投資に分けられます。
はっきりとした定義はありませんが、おおむね、保有期間が数週間以内までが短期投資、数か月~1年程度が中期投資、1年以上が長期投資です。
短期投資には、1日の間に売買を繰り返すデイトレード、数日~数週間程度保有するスイングトレードがあります。
投資期間が短くなれば短くなるほど短期間に利益が出やすく、また、損失も出やすくなります。
短期投資は、いつ買うか、いつ売るかの売買のタイミングが非常に重要になります。
銘柄を購入するときに、どれくらい保有するかをあらかじめ決めておくという考え方はありますが、基本的には投資期間はそれほど意識しなくても良いです。
売り時と思ったときに売るというスタンスで良いでしょう。
<分析方法による分類>
投資の分析手法は、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の2つに分類できます。
ファンダメンタル分析は、企業の財務諸表や業績を分析します。
銘柄の割安度や成長性を評価する方法であり、長期投資と相性の良い手法です。
テクニカル分析は、過去の株価のデータをもとにして今後の株価を予想するという手法です。
特に短期投資においては、重要度が高いです。
2つの手法は、相反するようにも見えますが、例えば、銘柄の選択にはファンダメンタル分析、売買のタイミングを図るのにテクニカル分析を使うなど組み合わせて使用することも可能です。
<投資対象による分類>
どのような銘柄を投資対象とするかということですが、代表的な手法として、割安の銘柄を選ぶバリュー投資、業績が伸びている銘柄を選ぶグロース投資があります。
個人投資家に人気のある手法としては、第4、5章で説明する株主優待がある銘柄を投資対象とする優待投資、新規に上場する株式に投資するIPO投資があります。
また、例えば、金融系の銘柄しか買わないというように、特定の業界のみを投資対象とする手法もあります。
その他、少し変わった方法として、特定のイベントが起こった、または、起こる見込みがある銘柄のみに投資するイベントドリブンという手法もあります。
イベントの例としては、M&A、業務提携などがあります。
<まとめ>
投資手法は、上記3つの投資期間、分析方法、投資対象の組み合わせで決まります。
どのような組み合わせも可能ではなく、組み合わせることができない、相性の良くない組み合わせもあります。
例えば、バリュー投資の場合は、自動的に投資期間は中長期、分析方法はファンダメンタル分析というように全ての要素が自動的に決まってしまいます。
いろいろな手法を紹介しましたが、どのような投資手法であっても、「どの銘柄」を「いつ買って」「いつ売るのか」の3点を分析し、利益を出すことを目指すということは変わりありません。
どの手法が良いということはありませんが、まずは、自分の興味の持った手法を小額で試してみると良いでしょう。
個人的なおすすめは、バリュー投資と優待投資です。
短期投資については、難易度が高いので強くはおすすめしませんが、手軽に試せてすぐに結果がわかるというメリットもあり、小額であれば、試してみても良いと思います。
【キーワード】
デイトレード・・・1日の間に1回以上の売買を行い、細かく利益を上げていく投資手法。
スイングトレード・・・数日から数週間、株を保有し、短期で売買を繰り返す投資手法。
ファンダメンタル分析・・・企業の財務諸表などのデータをもとに分析する手法。
テクニカル分析・・・過去の株価のデータをもとに今後の株価を予想する手法。
バリュー投資・・・企業の利益、資産などに基準に対して割安と算出される銘柄に投資する手法。
グロース投資・・・利益が伸びている企業に投資する手法。
優待投資・・・株主優待を実施している銘柄に投資する手法。
IPO(あいぴーおー)・・・株式が証券取引所に新たに上場され、売買可能になること。
イベントドリブン・・・相場に大きな流れを呼び込みやすいイベントを利用して、利益を稼ぐ手法。
様々な投資手法を紹介しましたが、詳細には触れていないので、物足りない部分もあるかもしれません。
優待投資については、4、5章で詳しく解説します。
また、他の手法についても応用編でもう少し詳しく解説、良いと思う参考書籍も紹介する予定です。
投資手法についてはこのくらいにしておき、次は、投資する銘柄をどうやって探すかという話をしていきます。