ここでは、株式の投資対象の候補の探し方を説明していきます。
誰もが普段の生活の中で多くの上場企業と関わっており、簡単に投資候補を見つけることができるので、難しく考える必要はありません。
方法はいろいろありますが、私が良く使う3つの方法を挙げます。
①自分に身近な会社
初めは、良く知っている企業や業界の銘柄を選ぶのが無難と思うので、1番のおすすめです。
こういった会社については、もともと業務内容を良く知っているので、投資をする際の強みになります。
勤務先、取引先、同業他社、良く利用している商品やサービスを提供している会社などが候補として考えられます。
特に、勤務先に持株会という制度があれば、投資金額の5%とか10%の奨励金をもらえるケースもあるので、調べてみるといいでしょう。
注意点としては、勤務先、取引先などの特定の未公表の重要な内部情報を用いて株式の取引を行うとインサイダー取引といって犯罪になってしまうので、良く確認する必要があります。
②株式関連のサイトや書籍
良く知られているサイトとしては、YAHOOファイナンス、モーニングスター、会社四季報オンラインなどがあります。
書籍では、会社四季報が有名です。
注意点としては、記事や予想の情報は、あくまで見解、意見の1つに過ぎないので、うのみにせず、自分で再度調べたり、良く吟味する必要があるということです。
また、たとえ、正しい情報、的を得た見解であっても、サイトに情報が掲載されているときには、多くの人に知られていて、すでにその情報をもとに株の売買が行われてしまっている可能性もあります。
このように、ある情報がすでに株価に反映されていることを織り込み済みと言います。
③証券会社のスクリーニング機能
ネット証券に口座を開設すると、スクリーニングという機能を使えるようになります。
スクリーニング機能を使うと、例えば、食品業界で10万円以内で投資できる銘柄といったように、様々な条件を指定して、その条件を満たす銘柄を見つけることができます。
スクリーニングについては、第3章の最後に詳しく説明します。
<銘柄の探し方の例>
銘柄の探し方の例として、私の会社への出社前の身支度時について考えてみます。
( )内が関係している企業です。
朝起きて、テレビ(シャープ)を付けます。
パン(山崎製パン)を食べ、野菜ジュース(カゴメ)を飲みます。
チョコラBB(エーザイ)を飲みます。
歯磨き(サンスター)をして、顔を洗い(ロート製薬)ます。
スーツ(スーツカンパニー=青山商事の子会社)を着ます。
このように、ちょっとしたことでも多くの企業を見つけることができます。
サンスターについては、非上場企業ですので取引はできませんが、それ以外は、株を売買することができます。
スーツカンパニーは上場していませんが、親会社の青山商事が上場しており取引をすることができます。
このように、親会社があるケースもあるので、気になる会社があって上場していなくても、ヤフーなどの検索サイトで「気になる会社+親会社」というワードで検索すれば親会社を知ることができます。
【キーワード】
持株会(もちかぶかい)・・・従業員が所属している会社の株式を取得することを目的とする組織。
インサイダー取引・・・上場会社の関係者が、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社の株式を売買する行為。
織り込み済み(おりこみずみ)・・・株価に影響を与えるニュース等がすでに株価に反映されていること。通常、良い(悪い)ニュースが出れば株価は上がる(下がる)が、事前に予想されるなどしてすでに織り込み済みの場合は、株価に影響を与えない。
スクリーニング・・・設定した条件に合う銘柄を検索できる機能。
投資候補の探し方を見てきました。
おそらく、皆さんが投資候補として興味を持った銘柄は、良いサービス、商品を提供しており優れた企業が多いのではないかと思います。
しかし、必ずしも、優れた企業=良い投資先ではありません。
良い投資先とは、株価が上がったり、高い配当金を出すなどして、投資家に利益をもたらしてくれる銘柄です。
ということで、次の段階では、見つけた銘柄が良い投資先であるかどうかを調べていきます。
調べ方はいろいろありますが、一例として、配当利回りと業績について考えていきます。