株の銘柄の基本的な分析方法として、配当利回りと業績があります。
順に説明していきます。
<配当利回り>
配当利回りとは、株価に対する1年間の配当金の割合です。
例えば、株価100円の銘柄があって、1年間に3円配当金がもらえるのであれば、その銘柄の配当利回りは3%になります。
2016年10月現在のTOPIXの平均配当利回りは2%程度となっており、銀行預金の利率と比べると非常に高い数字になっています。
配当利回りは高いほど多くのお金をもらえるので、投資家にとって良いのですが、急成長している会社など配当にお金を回すより事業資金に回すほうが良いケースもあります。
そのため、成長している企業については、それほど重要視する必要はなく、大きく業績が伸びていない企業については、2~3%程度を基準として利回りが高いかどうか判断すると良いと思います。
<業績>
業績については、現在良い企業よりも今後伸びていく企業を選ぶことが重要です。
ここでは、1つのアプローチとして、まずは、直近の数年間の業績を確認するということをおすすめします。
過去のデータではありますが、売上や利益の推移を見ることで、今後の業績についての参考にします。
過去の業績については、売上、利益ともに右肩上がりになっていることが理想ですが、そうでなくても利益の傾向を利用して、様々な投資のしかたが考えられます。
例えば、毎年安定して利益を出しており、配当利回りも高い企業に長期投資するというような投資方法が考えられます。
なお、利益には、「営業利益」「経常利益」「純利益」の3種類があります。
3種類全ての利益とも重要な情報ですが、毎期行っている活動から得られる利益である「経常利益」を重視すると良いです。
純利益については、通常の業務から得られない一時的な利益が含まれることがあるので、注意が必要です。
例を挙げると、業績不振で子会社の売却を行った場合、純利益は増えていても、営業利益、経常利益が減るケースがあり、この場合は企業が良い状態にあるとは言えません。
業績については、証券会社のHP、株のポータルサイト、会社四季報などで確認することができます。
注意点としては、直近の業績については、反映されていないケースがあるので、最新の決算短信を見る必要があります。
決算短信については、証券会社のHPなどにリンクが貼られていることが多く、企業のHPのIR情報からも確認することができます。
【キーワード】
配当利回り(はいとうりまわり)・・・株価に対する1年間の配当金の割合。1株当たりの年間配当金額÷株価×100で計算される。
決算短信(けっさんたんしん)・・・上場会社が3か月ごとに発表する決算資料。
営業利益(えいぎょうりえき)・・・本業から得られた利益。
経常利益(けいじょうりえき)・・・本業と毎期行っている本業以外の活動から得られた利益。
純利益(じゅんりえき)・・・企業の最終的な利益。
配当利回りと業績について説明してきましたが、実は、これら2つが良ければ、必ずしもそれだけで良い銘柄というわけではありません。
それは、株価が上がりすぎてしまっている場合があるからです。
事項では、現在の株価がお買い得かどうかということを判断するための2つの指標について説明します。