優待投資を成功させるためのポイントの1つが、利回りの高い銘柄を選ぶことです。
利回りには、第3章で説明した配当利回りと優待利回り(株主優待をもらうために必要なお金に対する1年間の優待の価値の割合)がありますが、その2つを足したものが最終的な利回りになります。
ここでは、優待利回りが高い銘柄にはどんなものがあるのかを考えてみます。
現在の優待利回りが高い銘柄は、以下の通りです。
(2016/12/2現在のデータ:会社四季報オンラインから引用)
コード 銘柄名 |
優待内容 | 優待利回り (%) |
3318 メガネスーパー |
買物割引券等 | 714.29 |
8107 キムラタン |
買物券 | 71.43 |
8175 ベスト電器 |
買物割引券 | 33.11 |
3726 フォーシーズホールディングス |
株主優待券 | 29.33 |
3772 ウェルス・マネジメント |
サービス利用権 | 22.26 |
表からわかるように、自社製品・サービスを株主優待とする銘柄の利回りが高くなる傾向があります。
これは、企業が優待として自社製品を用意する場合は、コストが安く済むということ、また、金券のように全ての人にとって価値があるわけではないため、それほど株を欲しい人が増えておらず、株価が上がっていないことが理由です。
金券のように使い勝手は良くはありませんが、もし、普段から使っているサービスを提供している企業が、そのサービスを株主優待に採用している場合は、有力な投資候補になります。
個人的に、優待が魅力的と思う銘柄を3つ挙げておきます。
①(8267)イオン
優待内容:イオンでの買い物金額のキャッシュバック(3%~)など
②(3099)三越伊勢丹ホールディングス
優待内容:三越伊勢丹での10%割引券
③(1726)ビーアールホールディングス
優待内容:クオカード1,000円~
①イオン、②三越伊勢丹が実施している株主優待は、買い物の割引です。
普段から、イオンや三越伊勢丹で良く買い物をする方には非常におすすめできる内容となっています。
具体的に、イオン100株(約16万円程度)を購入したケースを見てみます。(優待内容は、年間最大200万円までの買い物金額の3%キャッシュバック)
年間買い物金額が200万円の場合は、キャッシュバックは6万円、優待利回りは37.5%
年間買い物金額が50万円の場合は、キャッシュバックは1万5千円、優待利回りは9.38%
年間買い物金額が10万円の場合は、キャッシュバックは3千円、優待利回りは1.88%
買い物金額が多ければ多いほど、得になる優待内容なので、普段から良くイオンを利用する方には非常におすすめです。
このように、優待利回りのランキングには掲載されていなくても、自社製品・サービスの割引を優待としているケースでは、実際の優待利回りが非常に高くなる場合があります。
③ビーアールホールディングスは、100株(2万5千円程度)で株主優待がクオカード1,000円、優待利回り4%とクオカードが優待にしては利回りが高めです。
株主優待を導入したばかりの銘柄や1単元の価格が低い銘柄で、このようなケースがたまにあります。
特に、1単元の価格が低い銘柄については、利回りが高くても利益の額自体が少なくなるというデメリットはあるものの、リスクも少ないので、投資を始めたばかりで資金が少ない初心者や入門者向けにおすすめです。
第4章では、株主優待の基本について説明しました。
株主優待の制度や優待銘柄にはどのようなものがあるかをわかっていただけたかと思います。
次章では、優待投資において、実際にどのように銘柄を分析するのかということを説明します。