第1~3章で株式投資の基本、第4,5章で優待投資の基本を説明してきました。

最後に、補足事項と投資で重要なことをお伝えします。

さらに株式投資を学びたい場合や実際に投資をしていて悩んだ時の参考になればと思います。

 

<補足事項>

ここまでいろいろなことの説明をしてきましたが、まだ触れていない事項も多くあります。

説明しなかった理由としては、最初から覚えることが多いとかえって混乱させてしまうのではないかと思い、特に重要な事項に絞ったというのが1つです。

もう1つは、正直にいうと、重要ではあるけれど、管理人自身も研究途中で説明できないという事項(企業の成長性、株を売るタイミング)で、この部分は重要であるということと考え方の一例をお伝えするのみにとどめます。(というか、そこまでしかできません・・・)

・銘柄のチェック項目(分析事項)について

優待銘柄の分析では、利回り、業績、PER、株価の推移をチェック項目としましたが、他にもいろいろ候補があります。

良く使われるものとしては、流動性を確認するための出来高、資産から割安度を確認するためのPBR、財務の健全性を確認するための自己資本比率、経営の効率性を確認するためのROEなどがあります。
(出来高については第3章の取引する前の注意点、PBRについてはPERとPBRで少し触れました。)

これら投資指標は書籍等で調べれば、意味合いを簡単に知ることができますが、本当に重要なのは、どう使うのか、そして、どの指標をチェック項目とするのかということです。

投資手法によって、重要度が高く、外すことのできない投資指標があります。

例を挙げると、グロース投資であれば企業の業績や成長性は外せないですし、第5章で紹介してきた優待投資では利回りは外すことのできない項目です。

そのため、チェック項目の選択は、まず、重要度の高い投資指標を押さえてから、必要に応じて項目を増やすという方法が良いでしょう。

投資指標の有効性は、いつも同じというわけではなく、例えば、あるときは業績の良い銘柄が買われやすいのに、あるときは業績の良い会社が買われにくくなるなど、相場の状況によって変わってきます。

どんなときでも有効なチェック項目を見つけることが理想ではありますが、慣れてくれば、相場の状況に合わせてチェック項目を変えるという手法も一考の余地があります。

 

・企業の成長性

企業の成長性は、銘柄のチェック項目の1つですが、株価のチャートを分析の中心としている場合以外には、最も重要といっても過言ではありません。

第3章と5章で、過去の業績と今期の業績予想から業績の傾向を調べるという手法を説明しましたが、もっと掘り下げて分析することが望ましいです。

具体的には、今期の業績予想の進捗率を見たり、予想自体が妥当なのかを調べる、また、今期だけでなく、もっと先の業績についても見積もることができればさらに良いです。

企業の業界の状況、また、競合他社に対する優位性などを調べて業績を予想します。

自分の良く知っている業界の銘柄について試してみると良いと思います。

企業の成長性の分析は、はっきり言って、とても難しいですが、挑戦してみる価値は十分にあるものです。

 

・株を売るタイミング

優待銘柄を買うタイミングは少し触れましたが、株を売るタイミングについては触れていませんでした。

株を売るタイミング(いつ、利益や損失を確定するか)は、非常に重要であるのと同時に、非常に難しいです。

管理人の場合は、売り時に自信がないので、できるだけ良い銘柄を買って長期保有するという手法をメインにはしていますが、投資をするときに売るタイミングについて考えておいたほうが良いです。

売るタイミングの計り方として何が良いかはわかりませんが、一般的に売り時と考えられていることを3つ紹介します。

①目標の株価を決めておいてそれに達したとき
例えば、1,000円で株を買ったときに、1300円になったら利益確定、800円になった損切りをするというような方法です。
目標株価を切りの良い数字にする以外にも、株価が買値から何%変化すれば売るという方法もあります。

②投資指標値が目標に達したとき
株価ではなく、株を買うときにチェックした指標値に目標を設定し、それが達成されたら売るという方法です。
例えば、PERが10倍を切っている銘柄を購入し、15倍を超えたときに割安感がなくなっていると判断して売るといった方法が考えられます。

③重要なイベントが起きたとき
重要なイベントとしては、業績が落ちた(落ちそうと判断できた)ときや企業の不祥事が発覚したときなどがあります。

 

<投資で重要なこと>

・余裕資金で投資を行う

この項目は、このサイトでも何回か触れており、しつこいと思われるかもしれませんが、とても重要なので、再度、書いておきます。

極端な話、この原則さえ守っていれば、投資で大失敗をすることはありません。

特に、株を始めたときや新しい手法を試すときは、小額で投資しましょう。

 

・シンプルな分析で多くの利益を出すのが理想

株式投資を長く続けていると、どんどんと知識が増えてきます。
そして、チェックする項目も自然と増えてきて、分析に時間がかかるようになります。

しかし、チェック項目が増えたり、分析に時間をかけたからと言って、利益も同様に伸びるとは限りません。

また、分析に1ヶ月かかって10万円の利益が出ることと、分析に1日かけて10万円の利益が出ることのどちらが良いでしょうか?
当然、後者ですよね。

知識を蓄えることは重要ですが、投資をする際には、得た知識全てを使う必要はないのです。

理想は、シンプルで時間を極端にかけずに分析し、多くの利益を出すことです。

とは言え、投資手法が確立するまでは、いろいろと試行錯誤する必要があるので、ある程度、時間をかけて分析することがやむを得ないという面はあるのですが・・・

 

いろいろと難しいことも書いてきましたが、これまでの内容を完璧でなくても、ある程度理解できていれば、もう十分に株式投資を始めても問題のないレベルになっていると思いますので、実際に投資をしてみましょう。

実際に投資をしていろいろ気付いたり、疑問に思うことが出てくると思いますが、そのときは、より詳しい書籍やサイトから情報を得ると良いでしょう。

このサイトでも、今後、もう少し突っ込んだ内容を説明したり、知識をつけるために有用な書籍やサイトを紹介する予定です。

それでは、皆さんが良い投資ができることをお祈りして、初級編を終了します。